葬儀のしきたりは習俗なので、宗派云々と言うより地域地域でずいぶん異なりますね。埼玉県の越谷など首都圏では、ご焼香はほとんどの方が通夜にお参りされ、告別式はご親族の方や極々親しい方々のみで執り行われる事が多くなっております。通夜式は100名の方々がお参りに見え、告別式は10名の会葬者だったなんて事も珍しくありません。ご会葬の方々が会社などからお勤めの帰りにお参り出来るので、告別式より通夜にお参りされる方が多くなったのでしょうね。私が生まれ育った栃木県の足利などでは、通夜は身内の方々で執り行い一般のご焼香の方々は告別式にお参りするのが一般的でした。(少し前まで、通夜式に出向く際は礼服を着用しませんでした。これは、突然の訃報に急ぎ駆けつけた事を意味し、決して予期していた訳ではないので礼服ではなく平服でお参りするのが通例であったようです。)最近では首都圏同様、通夜式にお参りされる方も多くなって来ているようです。お寺としての作法は引導を渡したり通夜式よりも告別式に重きを置いているのですが少しずつ生活形態の移り変わりと共に変化していきますね。
このように告別式より通夜式に重点が移ってきており、少しずつ進行形態は変わりつつありますが、通夜式、告別式の二日間に渡り人寄せをする事はやはり大変な労力を要します。以前の様にご自宅で葬儀を出す方が減り、葬儀ホールを利用して執り行う方が増えてはおりますが、やはり精神的にも経済的にも大変な心労を伴う事は変わりません。人ひとりの終焉の儀式ですので軽々に簡素化する事が良い事とは思いませんが、残されたご遺族の心労を少しでも軽減する事を目的に通夜、告別式と二日間に渡る葬儀式を一日で終らせてしまう形態が出てきています。(葬儀社さんによっては積極的に勧めているようです)
先日私がお勤めさせて頂いた方は、事情は少し違いましたが、まず、ご親戚などお近い方々だけで日中にご遺体を荼毘に付し、夕刻6時より告別式を執り行うものでした。この形態ですと、荼毘に付す時間の制約も減り、人寄せは一日で済みますし、ご会葬の方は夕刻よりの式ですのでお参りもしやすいと、なかなか評判のようでした。先にも記しましたように、葬儀の進め方は習俗ですのでこれが正しいと言う形態は無いのかもしれませんが、高齢化と共に葬儀の規模や形態が変わり行くのも必然的かもしれませんね。皆様はどうお考えになりますかね?
皆様のご意見やお尋ね事は、当ホームページ「坊主バー」にて承っておりますのでお気軽にお立ち寄り下さい。
合掌